【大統領選】米トランプ大統領がコロナ陽性。今後のシナリオは?【投資への影響】

トランプ米大統領が新型コロナウィルスに感染したそうです。大統領選挙の投票日が一ヶ月後の11月3日に迫る中で、どのようなことになるのでしょうか。

やぶいしゃ
やぶいしゃ

陽性や!はようせい

この記事では、現在出ている情報から想定されるシナリオを考えます。そして、一点読みはせずに、どうなっても動けるように準備を整えます。

想定されるシナリオ

重症化し復帰不能

大きな混乱が起きます。現職としての政治が空白生じるというのがまず一点です。そして大統領選挙では、共和党は候補者を再選定することになりますが、この事態になった段階で事実上のバイデン勝利といえるでしょう。

トランプが復帰不能で完全に消えた場合には、ある意味ではっきりとした事態収束になります。とくに初期段階での動揺は大きいですが、普通の選挙でバイデンが勝った、というのと結果はあまり変わらないかもしれません。(もしトランプが重症のまま奇跡の当選を果たし、選挙人投票後に死亡した場合には、副大統領が大統領に就任ということになります)

長期化し一般選挙後の復帰

オンラインでの公務はある程度可能でしょうが、政治的空白が生じる点は同じです。隔離状態で勇ましい発言は続きますが、選挙は圧倒的な不利に陥り、徐々に「過去の人」化し敗北。市場はこの過程で徐々に民主党政権移行を織り込んでいくことと思われます。

敗北後に復帰した場合には、選挙結果に対するトランプの抵抗が続いて、非常にこじれる可能性が高いです。最終的にはバイデン大統領が就任するでしょうが、かなりの期間、政治空白と混乱が続く可能性があります。

一般選挙前に短期で復帰

一般選挙前に復帰すれば、政治空白は最小限で済みます。選挙は接戦が継続されますが、トランプ陣営のダメージは否定できず、ジリ貧になる可能性が高いと見ます。

一方で、英雄的な(?)復帰を果たす演出によって最終盤に支持を盛り返すという展開もなくはないです(Make America Great Againの体現)。復帰したトランプが勝利した場合は、対中強硬姿勢は更に激化し、コロナ対策の軽視も進むかもしれません。

英雄的復活

トランプが負けた場合は、やはり大きくこじれるでしょう。これが、今のところ一番可能性が高いシナリオのように思います。

復帰時期はまったく読めませんが、参考までに、同じくコロナに感染した英ジョンソン首相は、陽性反応から集中治療室を経て公務復帰するまで丸一ヶ月かかっています。しかし、トランプはジョンソンより18歳も高齢であることも考慮する必要があります。

選挙延期

おもにトランプ陣営から選挙延期論が浮上してくる可能性があります。まず延期決定のプロセス自体で大混乱し、決定したところで何が起こるか読めません。とにかく、混乱が半年以上続く可能性が考えられますので、最悪かもしれません。

市場の態度は流動的

現在のところのマーケットの基本的な姿勢は、バイデンが掲げる市場への厳しい政策(大企業・富裕層に増税など)と、単純に政権交代に伴う不確実性への恐れから、トランプ不利の材料があれば下げる、という状況です。

しかし、これは市場の確固たる総意というわけでもなく、今後いくらでも変わり得る流動的なものです。4年前の大統領選挙時も、「あのトランプがまさか当選」という、今よりずっと大きな不確実性が警戒されていたのに、実際に当選した際には減税政策に注目が集まり株価は上昇しました。

市場の関心も読めない

今回も、何がきっかけで何が注目されるかまったくわかりません。バイデンが大統領になった場合、中国との関係を改善させる可能性もありますし、銀行の業績は改善されるかもしれません。また、2期目のトランプは再々選を気にする必要がないため、歯止めなく暴走するという不確実性はなくなる、という見方もありえます。あるいはコロナのリスク下で両者が高齢であることから、副大統領候補が今まで以上に重視される可能性もあります。

政権移行のリスク

上記の想定シナリオでも触れましたが、政権移行のリスクは高まってます。バイデンが勝利した場合(というかトランプが負けた場合)に、政権移行がスムーズに行われないかもしれません。

自分の政策や実績ではなくコロナという不運が敗因だと思いこんだトランプが素直に敗北を認めるとは考えにくく、現職大統領によるなりふり構わぬ抵抗によって、選挙結果の確定や政権移行が進まないことになります。

票の数え直しや訴訟などあらゆる手段で抵抗し、政治空白が起こりえます。ひっくり返せない情勢になるにつれて、もはやただの嫌がらせになるということすら考えられます。完全にレームダックとなったトランプが残任期中に何をするかまったくわかりません

わがままさん

トランプ政権下では、議会で予算が通らず2018年初と2019年初の2回、政府閉鎖が引き起こされましたが、国民生活だけでなく市場にも影響が出ていました。

現金を保有して暴落に備える

どのようなシナリオでも、選挙後には大きな値動きが起こる可能性が高いと考えられます。どちらかに賭けるのはただのギャンブルです。一連の動きが終わったら、必ず「読んでいた」「当然の結果」で大儲けしたという人が現れるでしょうが、気にする必要はありません。同じだけ沈んでいる人がいるはずで、再現性のない勝ちに倣っても、大負けするまでギャンブルを続けることになるだけです。

いま保有する優良資産を売却する必要まではありませんが、不要な買いは控えて現金を確保しましょう。本質的な企業価値の低下を伴わない暴落という、バーゲンセールが起こる可能性は高まっています。業種や地域ごとに現れるかもしれませんし、市場全体で起こるかもしれません。

いまのうちに企業研究を加速させて、購入の意志を固めておきましょう。実際に、目の前で暴落が起こっているときに買うことは、想像以上に難しいことです。今決めたことを、機械的にこなせるように訓練して、自分の感情をコントロールしましょう。

事前に決めておく

すべて個人的な見解です。投資は自己判断でお願いします。

ありがとうございました。

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