この記事は次のような方へのヒントになれば幸いです。ぼくも何度も挫折を経験してきましたが、いまは多くの銘柄を10年以上保有し続けることができて、結果として2倍以上に値上がりしています。
- これから長期投資を始めようとしてどうしていいかわからない人
- 長期投資のつもりで始めたけど効果が出ず、このままでよいか悩んでいる人
- いままで投資で挫折・失敗して諦めてしまった人
この記事では、長期投資をどうやったら挫折せずに続けられるか、その方法を心理的な側面から解説します。(口座開設の方法とか、長期投資に最適な銘柄紹介ではありません)
※長期投資とは、10年以上の期間の投資をいいます。とくに株式投資を念頭に置いています。
長期投資のメリットをしっかり知ろう
長期投資には、短期・中期投資にはない非常に大きな効果・メリットがあります。

- 長期投資のメリット
- 複利効果で大きく資産を増やし続けることができる
- 手間がかからない
- コストが低い
- 「株価予想」という博打をしなくていい
メリットは別に詳しく説明する予定です。今回は「わかっているけどできない」という人へのヒントを中心に解説します。ただし、ここにあるような非常に強力なメリットがあることを、腹落ちさせておくことは重要です。
本当に長期投資をしたいのかを考えよう
長期投資は万能の投資方法ではありません。実現できないことがあります。長期投資の効果面での最大唯一のデメリットは、つまり、
長期投資のデメリット(効果面): 一攫千金はできない
この一点です。長期投資では一攫千金はできないですが、いいですか?
かんたんにYESと言わないでください。後から迷うことのないように、本当に一攫千金の誘惑を断てるのかをよく考えてください。

心に決めたら、迷うことなく長期投資をしましょう。万能ではなくても最善の投資であることは間違いないのですから。あとは、挫折しない方法だけです。
長期投資は挫折しやすい!そのことを認識しよう
挫折しないための具体的なテクニックの第一歩は、「挫折しやすい手法である」ということを意識することです。
- 長期投資のデメリット(実行面)
- 効果がすぐには出ない
- 損失を長期間抱え続けることもある
- あまりやることがない
- モチベーションの維持が難しい
効果がすぐに出ないと諦めたくなります。資金がその間も拘束され続けます。効果を待っている間に、住宅ローンの頭金が必要になるかもしれません。
長期投資を始めてから、運悪くすぐに暴落が起これば、回復するためには年単位での期間がかかります。塩漬け状態です。辛い精神状況が続きます。
(本当は買い増す絶好のチャンスなんですけどね)

手間がかからないというメリットの裏返しで、あまりやることがありません。短期投資のように売り買いを繰り返すわけでもなく、手応えがありません。退屈な状態は人を不安にさせ、非合理な行動に走らせます。(コントロールの幻想)
モチベーションを上げる要素もあまりありません。忘れるか、やめるか、になりがちです。
売りたくなる局面と対処を事前に用意しておく
簡単に言えば、どういうときに売りたくなるかを、事前に考えておけば、冷静な対応が取れるだろう、ということです。事態が発生してから対処法を探しても、冷静さを失っている状況ではうまくいきません。
売りたくなる局面1- 株価が下がった
あなたの買った株は、基本的に買ったら下がります(マーフィーの法則)。

損失を抱え続けるのは精神を消耗させ、耐えきれなくなったあなたは売りたくなります。例えば次のように対処予定が考えられます。
- 株価が下がって売りたくなった場合の対処予定
- 買ってすぐに下がったら?
- 買い増そう。もっと安く買えるなんてラッキーだ。
- 下がり続けて買値の半額になったら?
- 買おう。大バーゲンだ。
- 買おうと思った理由がなくなった(事業売却・技術革命など)
- 売ろう。分析を十分に行って次に活かそう。
- 買ってすぐに下がったら?
下がったときに「割引セールだ、買い増そう」と思える銘柄を選択しておくのが重要だということがわかります。また、銘柄選択の理由を明確にしておくことも前提になります。
銘柄の選定は、非常に気になるテーマだと思うので別途解説する予定です。
売りたくなる局面2- 株価が上がった
逆に、株価が上がった場合、このときもあなたは売りたくなります。せっかく生じた評価益が消えてしまうことが怖くなるからです。早く利益を確定したくなります。この場合も対処法を考えておきます。
- 株価が上がって売りたくなった場合の対処予定
- 買ってすぐ上がったら?
- 放置しよう。これはノイズにすぎない。だから、逆転してこの含み益がなくなっても、惜しくない。
- 短期で買値の倍以上に上がったら?
- 売ろう。異常なバブルであって、長期で期待していた上昇率を超えている。売却益で次の銘柄に再投資しよう。
- 買ってすぐ上がったら?
上がったときにこういう行動を取るためには、株価がどこまで上がるのかという期待とバブル判定の基準をあらかじめ作っておくことが重要だということがわかります。(無限の高値を目指すことは否定しませんが、時期を考慮したスピードの基準は必要です)
売りたくなる局面3 – 現金が必要になった
拘束されている資金が必要になれば、当然売りたくなります。本当に困ったら売ってください。生活が破綻してまでホールドし続ける必要はありません。
これは対処予定というより、事前にそうならない資金で投資しておく、ということに尽きます。
売りたくなる局面4 – 「短期で稼いだ」系の体験談
短期での一攫千金を実現する者は常に現れます。モチベーションと自信が下がっているときにこの手の話を聞くと、どうしてもそちらの誘惑に流されそうになります。

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長期投資を始める前に、この手の本は読んでおいて態度を決めておきましょう。上記の「本当に長期投資をしたいのかを再確認しよう」です。これを、長期投資をはじめてから悩みだすと泥沼です。始める前に態度を決めておく。そして、必ず誘惑は弱ったときにやって来るから迎え撃つ準備をしておくということです。
こちらの記事もご参考にご覧ください。
短期投資については、改めて説明したいと思います。
長期投資の効果の実例とはじめかた
僕自身も10年以上の長期投資の効果で大きく資産を増やしました。セミリタイアを現実的な目標として捉えることができています。
学生時代から初めて、現在の評価額が+100%以上になっていますが、これは銘柄選択の成功ではなく、「+10%」や「+50%」の時点で売らなかった結果である、ということにこそ注目すべきです。(この他に配当もあるので利益はもっと大きいです)
これまでに、何度も大きな含み損が出ましたが、銘柄選択の理由自体が消滅していなかったため、勇気を持って買い向かい、平均取得単価をさげていきました。これによって、回復過程において含み益を大きく増やすことができました。
心構えもまずは行動から
心構えのようなことを書いてきましたが、実践するためには行動が必要です。
頭でわかっていても、実践できるかどうかはまったく違います。とくに狼狽売りをもたらす恐怖のような感情を制御するためには、経験によって脳を慣れさせることが必要です。
- ・まずは少額で長期投資を始めよう
- ・株価の値動きに慣れよう
「買ったつもり」で眺めている株価の動きと、実際に自分のお金を出した銘柄の株価の動きでは、まったく違います。
実際に挫折しやすいポイントを少額で経験することです。何度も同じ事態が生じ、何度も同じ心理状況になり、何度も同じ行動をし、何度も後悔することで、だんだん慣れてきます。
行動の前にやっておく準備というのは、完全に初めて行動する前には実感としてはわかりません。なので、早くスモールスタートして失敗をして、繰り返しスタートしましょう。

今回は長期投資を実行し続けるための方法をご紹介しました。まだ投資の始め方がわからないという方向けに、証券口座の開設法などはまた改めて説明したいと思います。
読んでいただきありがとうございました。
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