「収入が減ったリタイア後にどこに住むか」
「東京に住み続けたいけど、大丈夫か」
今回はリタイア後にどこに住むのかを考えます。まずは最も高コストで最も便利な都内に住むという選択肢です。メリット・デメリットを考えてみます。
23区内での地域差もありますが、ここでは山手線内側から新宿等のターミナル駅から30分程度までの地域と考えています。
メリット
都内に住むのはメリットが非常に多いです。
利便性最強
当然ですが、利便性は非常に高いです。買い物・イベント・医療・行政手続き・旅行・情報などほとんどの点で便利です。

最新の商品も早く試せますし、新しいスポットにもすぐに出かけられます。ライブや様々な公演は、まず東京で行われます。
医療機関や公共施設が集中しているので利用しやすいです。図書館や公営の美術館や博物館、運動施設など無料や安価で利用できるものにもアクセスしやすいです。ウィンドウショッピングや都会の建物をめぐるなど、お金をかけずに楽しめる要素があるのは、経済的にもメリットです。
自分が外に出たときも便利ですが、家にいる生活でも便利です。通販がすぐに届きます。Uber Eatsのようなネットサービスも、まっさきに対象エリアになります。
固定回線も高速ですし、スマホの5Gも都心から整備されます。これからも、どんどん新サービスが出てくると思いますが、自分の生活エリアが提供範囲外で悔しい思いをする、ということが少ないです。
交通の便
交通の便が良いです。都内のどこにも簡単にいけますし。遠距離の移動、地方や海外へ行く場合も非常に便利です。地方だと、他の遠隔地への移動のために、いったん東京や大阪の空港や新幹線駅を経由する必要がありますが、そういったことはありません。

日常レベルでも、旅行のレベルでも、とにかく非常にフットワークが軽くなります。
そして、移動のために車を所有しなくていいという大きなメリットがあります(逆に所有しようとすると超高コストになります)。コスト面はもちろんですが、加害事故のリスクを避けられるのは大きいです。
意外と安い買い物がしやすい
物価が高いと思われがちですが、多くの店が競合しているため最安の店を探して行くことも簡単です。たとえば中古品などは、店舗の選択肢がほとんどない地方より、安く手に入れることができます。
実店舗が豊富なため、実際の展示品を触って試す機会に恵まれています。通販で購入するにしても、写真ではわからない質感やサイズ感などで失敗することをさけられます。
外食もピンキリですが、激安店をさがせば見つかります。割安の朝食も、徒歩圏に店があってこそ利用できます。地域に1店しか店がないという地域では、割高でも甘受しなければいけません。
精神的なメリット
好奇心も満たされますし、刺激を得られます。単調になりやすい無職生活にとって、精神的な健康を保つために重要です。とくに後述する「人とのつながり」は大きいです。
わずらわしい人間関係がない
ぼくとしては、非常に大きいメリットです。学生時代から通算で8年ほど東京に住んでいますが、隣の部屋に住んでいる人と会話したこともほとんどありません。
田舎暮らしで聞くようなことがありません。
- 少し旅行に出ただけで周りがそれを知っていていろいろ聞かれる
- 通販が来るたびに何を買ったのか詮索される
- 店員もみんな顔見知りだから好きなものも買えない
- 地域の町内会や消防団活動に誘われる。断れば村八分
不干渉の無関心は最高の自由です。
快適な人とのつながりを得やすい
上のものと矛盾するようですが、人とつながりたいときにも有利です。つながりたくない人と関係を強制されることがない一方で、自分にとって心地よく有益な人とのつながりを得やすいです。

東京は世界最大の都市です。多様な人が集まっています。ニッチな趣味でも仲間が見つかりやすいです。ネットでつながれる時代ですが、オフ会への参加のしやすさはぜんぜん違います。特定の趣味のお店やカフェなどにも行きやすく、偶然の出会いも起きやすいです。
孤独になりがちな無職生活では、仲間を作ることは非常に重要です。とくにぼくは兄弟もいないので、このまま独身の場合は、人とのつながりが命綱になります😌
負担の軽い仕事を探しやすい
フルリタイアをしない場合には働いて収入を得るわけですが、東京では負担の軽い仕事も探しやすいです。
他の地域では成立しないような多くの種類の仕事があります。選択肢が多いので、収入や負担のバランスを考慮して選びやすいですし、仕事内容自体に興味を持てるものも見つかるかもしれません。アルバイト・派遣・個人事業など働き方も多様に選択できます。
求職者も多いですが圧倒的に求人が多いため、まったく働けないという事態にはなりにくいです。採用にあたっても、地方のような縁故も必要ありません。外国人や高齢者などが働くのが当たり前の環境ですので、受け入れられやすいです。
デメリット
一方でデメリットもあります。
コストが高い
とにかく住居のコストが高いです。ただし、これもピンきりと言えまが、探せば6万円台から見つかりますが、年間住居費100万円程度は見積もりたいです。
他の都道府県と比較すると、千葉・埼玉・大阪・名古屋などと比較しても2割から5割程度高いです。
家賃が3万円安ければ、年間36万円です。この差を埋めるには900万円もの資産が必要です(4%ルール; 36万/0.04=900万)。900万円を貯めるのに5年かかれば、その分リタイア年齢が遠ざかります。

家賃以外の物価は、それほど高いわけではありません。公共交通機関が発達していて自動車関連費用もかかりません。しかし、いくらでも高いものが売っていますし、魅力的な商品やサービスが多いので、誘惑は強いです。
住居が限られる
住居のコストが高いというのと表裏一体ですが、リタイア後の限りある住居予算で住める住居はかなり限られます。
7万円から8万円を上限と考えると(年間住居費100万円程度)、アパート・マンションでも、1Kでせいぜい20平米程度というところでしょう。2階以上、トイレ・バス別、オートロック、駅徒歩10分以内、築20年以内といった要求をすべて叶えるのは難しく、いくつかは妥協が必要です。
戸建てに住むことは無理です。ルームシェアなどの特殊な要件が必要です。
無食生活の孤独を癒やすために、ペットを飼いたいという希望があるかもしれませんが、かなり厳しいです。物件数が非常に限られますし、初期費用・家賃ともに高くなります。
騒音・治安などの住環境
住環境としても恵まれているとは言えません。騒音や治安の問題もあります。文化の違う様々な人が住んでいて、衝突もありえます。単身者が多いので、入れ替わりも激しく、それに不安を感じることもあるかもしれません。

家賃の安い集合住宅では、ごみ捨てや生活音などのルールが守られない場合も見られます。地域社会のしがらみがないことの裏返しです。
騒音による睡眠不足で病気になったりしては意味がありません。健康を維持できるところに住むことが最低条件です。

広い公園や自然が少ない
都会にもきれいでおしゃれな公園はありますが、規模は小さいです。キャンプができるような本当の自然に触れる機会は少ないです。こういったものを身近に求めるのであれば不利です。
生活用品の買い物が不便なこともある
郊外とは違って、大きなスーパーマーケットは少ないです。
地域差はありますが、衣服や家電などのたまの買い物には困らない一方で、毎日の食料品などは買う場所が限られることがあります。まいばすけっとや、高い成城石井みたいな小型店舗になったりします。最悪、コンビニで食料品を買うということになると、相当高くつきます。
車で大型スーパーに行って安く大量に買いだめをするということはできません。郊外のイオンみたいに、なんでもそこで済ませられるようなものはありません。
やっぱり便利なところに住みたい
あらためて書き出してみましたが、メリットが大きいと認識を新たにしました。一方のデメリットは、ほとんどお金の問題に尽きます。お金さえ出せば、たいてい解決できるのが都会です。とにかくこの金額差と価値をどう考えて、バランスを取っていくかです。
また、リタイア後には通勤で縛られることがないので、永住する覚悟までは必要はありません。数年単位での引っ越しを前提に考えることもできます。
ぼくはいま都内の便利な地域に住んでいるので、いったん離れて、また戻ってくるというのも良い気がします。地方の経験がないので、住んでみないとわからないこともありますし、リタイア初期の現金を減らさないという意味でも効果があります。
またこのテーマは取り上げたいと思います。ありがとうございました。
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