「収入が減ったリタイア後にどこに住むか」
「東京に住むのは家賃が高すぎるけど、都会に住みたい!」
リタイア後にどこに住むかを考えるシリーズで、今回は政令指定都市に住むメリット・デメリットを考えます。
政令市もかなり増えてきていますが、ここでは広域の中心都市である大阪・名古屋・札幌・福岡・神戸・京都・広島・仙台あたりを念頭に置いています。これ以外の政令市は、東京以外の関東近郊に住むケース・地方都市に住むケースとして、別に検討します。
メリット
メリットは、東京に住む場合に近いです。
高い利便性
非常に便利です。買い物や生活に困ることはありません。医療機関などの公共サービスも十分ですし、それぞれに有名な観光地もあります。

中心地が1か所にまとまっているため、東京よりも都市内の移動は少なく便利とも言えます。
ただ、非常にマニアックな店や、海外からの初出店みたいなものは、ないかもしれません。
交通の便が良い
都市の中での移動も、鉄道やバスなどの公共交通機関で足りることが多いです。ほかの地方や海外に行く場合も空港や新幹線駅も使いやすいです。

むしろ福岡のように空港アクセスが東京より優れているということもあります。
東京へのアクセスがいいのも大きいです。何かあれば東京に行けばいいのです。新幹線や飛行機を使えば、八王子や神奈川・埼玉・千葉の奥地より早く東京都心につけることだってあります。
東京よりは安い家賃・買い物も便利
東京と比べたときの最大のメリットはこれです。地域差はありますが、東京の7割程度の家賃で住めます。
ご参考
at home NEWS RELEASE 20200416号
全国賃貸管理ビジネス協会 全国家賃動向 2020年9月調査
車を持たずに生活できるのも大きいですし、十分に多くの店があれば競争も働きますし、選択肢も多いです。
東京ほど金持ちが多くないというのも、有利な要素です。高額の商品やサービスに誘惑されたり、金持ちと比較して身分相応な支出をすることも少ないです。
わずらわしい人間関係がない
このメリットは東京と同じです。都市に住んでいれば、田舎の濃密な人間関係に悩まされることはありません。
ただ、地方ごとに習慣が違うこともあるので、郷に入っては郷に従って無用なトラブルは避ける必要があります。
仕事も豊富にある
東京ほどではありませんが、十分に多様な仕事があります。セミリタイアの場合に、負荷と収入のバランスのいい仕事を選ぶことが可能です。また、地域の特色に応じた仕事もあるかもしれません。
都市の持続可能性
政令市より小規模な地方都市などと比べると、活気があります。日本全体としては人口減少によって、地方から衰退が進行していますが、広域で強い優位性を持つ政令市では、住環境が急激に悪化するというリスクは少ないです。
東京のメリットでもありますが、当然すぎるのであえて書きませんでした。
デメリット
都市ごとの細かい点を除けば、ほぼひとつです。
東京ではない
正直、デメリットはほとんどこれです。
政令市は何をやるにしても便利ですし、ほぼ完結した生活を送ることができます。ただし、東京と比べると、どうしても一段階スケールが小さくなります。
イベントや公演などが開催されず、どうしても行きたければ東京への移動が必要になったりします。オフ会や全国に散っている友だちと会う場合も、とりあえず東京でということになりがちです。ジモティーなどリアルでのサービスも人数の差が、そのまま利便性につながります。いろいろな選択肢が少しずつ少ない感じで、東京を知っていると物足りなく感じるかもしれません。

あと、いくら東京に出やすくても、やはり東京ではありません。交通費がかかります。(コロナ前は)毎月のように地方から東京に遊びに来ている友人がいましたが、相当な交通費がかかっていました。新幹線で往復すれば家賃の差はなくなりますからね。
あと、東京ブランドとか見栄みたいなものも重視する人にはだめですね。僕は気にしませんが。
知らない
住んだことがないのでよくわかりません。それを言ってしまえば、東京と千葉以外のすべてに当てはまりますが。やはり慣れない土地というのはそれだけで不便に感じます。効率よく生活できるようになるまでに時間がかかります。また知り合いもいないので、頼ることができません。ただでさえ孤独になりやすいのに、元の知り合いとも疎遠にならないよう注意が必要です。
ただ一方で、知らない土地に住めるという楽しみもあるので、考え方次第です。
非常に有望な選択肢
こう見てくると、メリットは非常に大きい一方で、デメリットはほとんど考え方次第だと思います。東京のメリットを少し小さくして、東京の最大のデメリットである家賃を大きく削減できます。
小屋ぐらしや田舎暮らしのように、大きな失敗をして挫折するような可能性も少ないです。
地方ごとの気候や慣習などの違いを念のため調べるくらいで十分です(札幌は少し違うかもしれませんが)し、旅行を兼ねて東京から下見をすることも簡単なのも大きいです。事前にリスクを減らせます。
総じて、バランスが良く非常に有望な選択肢だと思います。
それぞれの特徴も魅力
一口に政令市といってもそれぞれ個性があるので、その中からどこを選ぶのかというのも重要です。
やはり人気の福岡でしょうか。利便性と家賃の低さのバランスは素晴らしいです。名古屋もいいですね。リニア新幹線ができれば、東京との距離もまた近づきます。どちらも非常に大きな都市で不自由はありません。なんどか旅行で訪れているという安心感もあります。
せっかくだから、札幌に住んでみるというのもロマンがあります。冬の寒さや雪は経験がないので、若干の不安がありますが、食事も美味しく景色も素晴らしく、無職を謳歌する感じでとても楽しそうです。老後に寒いのは嫌なので、若いうちに経験したいというのもあります。

ということで、またいろいろ考えたいと思います。下見旅行をするだけでもわくわくします。ありがとうございました。
コメント