「投資が大事だってきくけど損をするのが怖い」
「無一文になったり借金を背負ったりという失敗談をきく」
「ギャンブルなんでしょ」

投資が大事だというのは聞くし、興味があるけど、怖くてはじめられない
そういう方に、「なぜ怖いのか」「本当に怖いのか」を説明していきます。
ここでは特に株式投資を念頭に置いています。
この記事では
・自分が何を怖がっているのか
・投資が破滅を招くというのが誤解であること
・恐怖は身を守るために正しく利用すべきものであること
ということがわかります。
人一倍心配性の僕が、株式投資で資産を増やしていく過程で学んだことをもとにお話したいと思います。自分の感情を見つめ直すきっかけにもなります。
自分が何を怖がっているのか
「投資が怖い」
確かにそう思う気持ちはわかります。しかし、もう少し具体的に考えましょう。何が怖いのでしょうか?投資でどうなるのが怖いのでしょうか?
おばけのように存在自体が怖い、ということはないでしょう。それでも怖いと感じることはわかります。なにか具体的な理由があります。

「損失が怖い」
具体的には、やはり損をするのが怖いのです。お金が減ることが好きな人はいませんが、お金が減ることが常に怖いか、というとそうではありません。ここで例を考えます。
宝くじを買うのは怖いですか?宝くじについて、「好きじゃない」とか「買わないと決めてる」とか「くだらないと思ってる」人はたくさんいるでしょうが、「怖い」と思う人は少ないんじゃないでしょうか。

たしかに、自分では買ってないけど宝くじは別に怖くない
宝くじは、ほぼ間違いなく損失を出します。まず当たりません。買った瞬間に損をすることがほぼ確定しています。しかし、なぜ怖くないのでしょうか。
- 損をするのに宝くじが怖くない理由
- みんな買っていて、なじみがある
- 損失が限定されている(購入額がなくなるだけ)
- 国が認めた制度だから安心
- 宝くじで破滅したという失敗談を聞かない
というあたりではないかと思います。では株式投資の場合はどうでしょうか。比較してみます。
宝くじ | 株式 |
---|---|
みんな買っていて、なじみがある | みんな買ってます。 日銀も外国人もプロも個人も買ってます。 宝くじの売上は年間約8,000億円ですが、株式は 日本で毎日約3兆円分売買されてます。 ただ、身近に買ってる人がいないことはありえます。 |
損失が限定されている(購入額がなくなるだけ) | 損失は自分で限定できます。 むしろ購入額の全額以下に抑えるのが普通です |
国が認めた制度だから安心 | 国が認めた制度です。世界中で認められてます。 |
宝くじで破滅したという失敗談を聞かない | 株で破滅する人は確かにいます |
結局違いは、「あまりなじみがない」「破滅する危険がある」ということだけなのではないでしょうか。まずは、おそらくより切実な恐怖である「破滅」の危険について詳しく見ていこうと思います。
投資によって破滅するという誤解
株式投資によって、「破滅」つまり無一文になったり借金を負ったりすることは確かにありますが、それは避けられないことでしょうか。
結論はNOです。株式投資によって100%確実に利益を出したり、100%確実に元本割れを防ぐ方法はありませんが、100%確実に無一文や借金を防ぐ方法はあります。(地球が滅亡したり資本主義が崩壊したらそうなるかもしれませんが、そのときは許してください)
無一文になるリスク
無一文、つまり投資対象の価値が0円になることがイメージされていると思いますが、0円にならないものに投資すればいいのです。

価値が0にならないものなんてあるの?
あります。
答えはインデックスファンドです。インデックスファンドは、数多くの企業にまとめて投資できます。個別企業は倒産すれば株価は0円になりますが、インデックスファンドを構成する数十~数千の企業が一斉に倒産するような事態は考えられません。(これを心配するくらいなら、自分の勤務先が倒産することのほうがはるかに現実的です)

更に言うなら、全財産を投資する必要はありませんし、そうすべきでもありません。インデックスファンドの構成企業がもし一斉に倒産して0円になっても、手元に現金があれば無一文とは言いません。投資対象の一つが無価値になったところで、財布の中身まで奪われることはありません。
借金を背負うリスク
借金を負う、つまり、自分の財産以上の損失が出るということですが、借金して投資しなければいいだけです。
これは無一文を防ぐよりさらに簡単です。なぜなら株価は0円になってもマイナスになることはないからです。株式投資で借金を負うのは、借金をして投資したときだけです。これは値動きも銘柄も、まったく関係ありません。購入方法の問題であり、自分の選択で確実に避けられます。

ただし、気をつけなければいけないのは、借金による投資であることに気が付かなければいけない、ということです。「レバレッジ」「信用」「空売り」「先物」など、「借金」という言葉が使われていない借金があるので、投資しようとしている仕組みは必ず理解する必要があります。
難しい仕組みを全部理解しなければいけないのではなく、理解できないものに手を出さなければいいだけです。理解できる簡単なものだけで投資は十分に成功できます(難しい仕組みのものは手数料をぼったくるためのものが多いです)。
どちらも恐れる必要はない
以上の通り、どちらも自分の選択次第で確実に避けられる事態であって、普通の注意こそすれ、恐れる必要はありません。
投資において無一文や借金を恐怖するのは、車の運転で例えるなら、一般道で時速200キロを出すことによる事故を心配するようなものです。そんなスピード出さなければいいだけの話です。
さらに、車では自分がどんなに安全運転をしていても、酒酔い運転の暴走車にぶつけられれば簡単に死ねますが、少なくとも株式投資では自分が安全を心がけていれば、誰かのせいで無一文になったり借金を負うことはありえません。むしろ、車の運転より安全です(だから僕は車の運転はしません!)。

「破滅の可能性を恐怖する必要があるか」という問いに戻ります。
答えは、「破滅は可能性としては確かに存在するが、あえて自分から危険を選ばなければ確実に避けられる。だから恐怖する必要はない」です。
自分の経験と本当に恐れていたもの
僕自身も最初に株を買ったときはものすごく怖かったですが、その恐怖を乗り越えて投資を続けてきたことで資産を大きく増やすことができました。
最初に買ったのは約10万円分の楽天株でした。震える手で注文ボタンをクリックしましたが、すぐに怖くなって当日中に売って、結果約2,000円の利益を得ました。
往復の取引を終えると、利益の嬉しさより、とにかくほっとしました。そして、すぐに気が付きました。10万円を投資しても利益は2,000円、逆に言えば損失が出ても1日ではこの程度なのだということです。
購入したときは、10万円全部がなくなるかのような恐怖を抱いていましたが、それは間違いでした。投資額の全額が一気になくなるなんてことはまずありえないのです。恐怖によってリスクの判断ができなくなっていたこと、そして本当の恐怖は未知の行為それ自体にあるのだと気が付きました。当初にあげた「なじみがない」という点です。これは経験によって十分に解消されます。
恐怖は身を守るのに役に立ちます
恐怖それ自体は悪いものではありません。上記のプロセスのように、まず自分が恐怖していることを認めて、具体的に何が怖いのかを考えていくことは、最初から恐怖を感じず何でもできてしまうことより、とても有益です。
- 恐怖はこの過程を経ることで、
- 本当に気をつけなければいけないこと(たとえば借金をしないこと)
- 自分が知らないことがあること(知るべきリスクやチャンスがあること)
ということがわかります。自分の身を守り、また前進することに役に立ちます。怖い、と思ったときはチャンスです。
逆に、恐怖と冷静に向き合うことなく、無理やり押さえつけたり無視することが一番危険です。
そうすると、冷静さが求められる場面で感情的な行動に走らせたり(暴落時の狼狽売りなど)、気をつければ避けられるリスクを無視して無謀な行動に走ったり(借金での投資など)ということにつながります。
何からはじめればいいか
まずはとにかく少額で投資を始めましょう。そして、すぐ売ってしまいましょう。勝っても負けても関係ありません。最初の一歩を踏み出すかどうかが大事です。

僕は基本的に長期投資をオススメしていますが、最初はすぐに結果を出してみるのもいいと思います。最初の一歩がもっとも怖いので、その一歩目は短く終えてしまうのです。
普通の注意をしていれば、利益も損失も、自分の許容範囲内に金額がコントロールできるのだということを実感してみましょう。
最後まで読んでいただきありがとうございました。

コメント
[…] 投資をギャンブルのように、資金を何倍にもしたり、逆に0円や借金になるものだと考えるのは間違いです。投資は、安心をもたらす細々とした収入を確保するためのものです。 […]
[…] 値動きをチェックしていても、最初はドキドキするかもしれませんが、いきなり半額になったり、ましてや0円になるようなことは、まず起きませ…。1日では大きくても数%程度の値動きに収まることが多いです。スーパー割引とか消費税とか、そういったレベルだと考えれば、まったく恐れることはありません。オススメはしないですが、どうしても無理だと思ったら、次の日に売れば、たいてい間に合います。 […]
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