【住居】リタイア後に田舎ぐらしするメリット・デメリット【過疎】

「収入が減ったリタイア後にどこに住むか」
「物価が安くて自然豊かな田舎に住もう!」

今回は、リタイア後の住まいを考えるシリーズで、物価の安い田舎に住むというパターンを考えます。

下の記事で解説したような、山奥での小屋ぐらしではありません。田畑が多くても、いちおう民家が近くにあって地域のコミュニティが一応存在し、日常の買い物ができる程度の距離に商業施設がある町や村を指します。

メリット

家賃が安い

家賃が圧倒的に安いです。おおまかに半分の家賃で倍の広さが借りられます。単身用の間取りに拘る必要がなく、ファミリー向けの広い部屋でのびのびと生活ができます。

戸建てを借りることも十分に可能です。騒音などを気にすることなく、自由に暮らせるのは大きなメリットです。庭を持つこともできますし、ペットも飼えます。畑などで食料を育てることも可能です。

庭付き。手入れは必要

誘惑が少ないため出費が抑えられる

不便であることの裏返しですが、お店などの誘惑が少ないため、無駄な出費が抑えやすいです。使う場所がないと言うだけですが。

自然豊かで土地や空間に余裕がある

自然豊かです。山登りやキャンプなどのレジャーを身近に楽しめます。散歩をするだけでも周囲の風景は、都会とはまったく違います。労働に疲れた心身を癒すのには良いのかもしれません。

登山が趣味なら楽しい

当地で穫れた新鮮な食材を味わえるのもメリットです。農家から直接手に入ることもありますし、自分で育てることもできます。

駐車場も(国道沿いとかの)店舗も家も広いです。都会の窮屈さがありません。人混みも少なく、通勤ラッシュもそもそも公共交通機関の利用を前提にしないので無縁になります。

ただ、車社会なので、交通量が多いところだと騒音や空気の汚染がひどい場合もあります。

デメリット

不便

娯楽・買い物のできる場所が限られます。たとえば映画館に行くために2時間かかるような生活は非常に不便です。買い物もだいたいいつも同じ店になります。

テレビのチャンネルも少ないです。ネットがあればいいと思うかもしれませんが、ネット回線も遅いことが多いです。5Gは永遠に来ないかもしれません。

通販が届くのも時間がかかります。Uber Eatsなど新しいサービス範囲には含まれないことが多いです。

病気や怪我になったときに病院や診療所までも時間がかかります。地域の病院数が少なく、高齢者で混雑していることも多いです。行政手続きをするにも片道1時間の移動が必要になることも少なくありませんし、効率化の意識も低く、土地ごとの慣習などを知らないことで手間取ることもあります。

地縁の職員がほとんど

交通も不便です。地域内の生活でも自動車がないと数少ないバスなどに頼ることになります。遠距離の移動には、まず駅まで車で行くという、都会出身者には全く慣れない行動を取る必要があります。そして電車の本数は少ないです。東京に出るまで、地図上の直線距離で想像するよりずっと時間がかかります

自動車が必要

基本的に自動車がないと生活できません。そのために自動車の維持費もかかります(ただ駐車場代は安い)。運転することで事故のリスクも取ることになります。

そして、生活の足になっているため、高齢ドライバーがたくさんいます。車で行くしかない居酒屋も多くあります。非常に危険です。

家賃以外の物価はそれほど安くない

競合する店が少ない地方では、それほど物価が安いわけではありません。自給自足ができるほどの農作業をするのは現実的ではありません。

上記の通り、自動車関係の費用の他に、暖房のための燃料代が必要になる地域もあります。

仕事がない

求人の数も種類も少ないです。一方で、若者が少ないため人手不足となっている場合もあります。ただし、賃金は都市部との格差が非常に大きいです。多様な働き方が受容されるほどの労働市場がありません。

ただ、農業を仕事にしたいなら、田舎に住むしかないです。

田舎の人間関係

これが最大のデメリットです。

しがらみ不自由・プライバシーがない

集合住宅であればマシかも知れませんが、田舎では一挙手一投足を監視されているような感覚に陥る人は多いです。出かければどこに行っていたのかを詮索され、なにか通販が届けば何を買ったのか詮索される、という話を聞きます。

監視社会

店員や警察官、郵便配達員などがみんな顔見知りという状況も多いです。すれ違う人がみんなかあなたのことを知っています。非常に窮屈です。

地域への奉仕義務

消防団活動や町内会、地域の様々な行事への協力が求められます。無償です。一度入れば抜けられず、まったく手伝わなければ有形無形の障害が発生するでしょう。

圧倒的高齢化

時代に取り残される

少子高齢化がはげしく、若者が少なく圧倒的に高齢者が多いです。活気がなく、頭の固い高齢者が権限をもっているので、常識の通用しない理不尽が多く発生します。また、若者が足りないので、上記のような地域への貢献への期待が集中します。

刺激のない生活と退屈

単調で刺激のない生活になります。新しい店や施設はめったにできませんし、移住者は少なく人口の流出が続き、いるのは高齢者ばかりです。

狭い範囲で完結した社会に苦労して入ることで孤独を避けられても、変化を嫌う保守的な価値観の人も多く、閉塞感があります。新しいコミュニティを見つけることや、知らない人と出会うことが非常に難しく、リアルの生活に好奇心や生きがいをなくし、ネット依存になりやすいです。

ボケます。

気候と虫

地域ごとに大きな気候の差があります。慣れない寒さや暑さは体調を壊す原因にもなります。また、自然豊かだということは虫がいます。虫!最悪です。

将来性がない

少子高齢化と過疎化の影響をモロに受けて、インフラや行政サービスなどが立ち行かなくなる恐れがあります。「いまは不便だけどなんとかなる」というレベルすら今後どうなるかわかりません。

どうしてもというなら慎重に地域を選択して

デメリットが大きすぎます。どうしても田舎暮らしを体験したいというのであれば、まず慎重に地域を選ぶ必要があります。

多くの田舎が「移住者歓迎」と言っていますが、口先だけのところがほとんどです。行政から多少の補助が出るところはあっても、保守的で排他的なマインドは健在です。先行する移住者が多くいて、評価が定まっているような地域を探す必要があります。移住者どうしのコミュニティが機能していると非常に心強いです。

行政の作る「移住WELCOME」ページは、当然ながら良いところしか書いてないので、個人のブログなどで確認が必要ですし、移住者本人に話を聞いてみることも重要です。もちろん、実際に移住する前に実際に何度も訪れてみることが必須です。日帰りでは夜の恐ろしい暗さがわからないかもしれませんし、季節による寒暖も体感するのが必要です。

ということで、「登山やキャンプ三昧をしたい」みたいな明確な目的があって、地域のコミュニティに入っていく高いコミュニケーション能力があるひとでないと、オススメはできません。

やはり、期間限定でレジャーや自然の癒やしを求めるための滞在ならよいしれません。観光地の安宿に長期逗留するイメージですね。長期を考えていても、まずはそこから始めてみれば、たぶんそれだけで満足すると思います。

ありがとうございました。田舎の観光地は短期だからこそ魅力があるように思います。

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